白米に自然な水分をとり戻す「調質」

玄米の水分は、ふつう14〜15%ですが、精米されることによって11%程度に減少します。精米の後、洗米し、一定時間、浸漬させ適量の水を含ませるという工程があるわけですが、乾燥した米は水分を吸収しやすく、これらの過程で過剰に水分を含みすぎてしまいます。そんな米を蒸すと、ベタついた蒸米になり、よい麹がつくれません。
そこで福光屋では精米のあとに「調質」という独自の工程をとり入れています。調質を経て、はじめてパリッとした最適な蒸米に仕上がるのです。


外はパリッ、中はふっくら

蒸米は「外硬内軟」(がいこうないなん)がよいとされています。米ひと粒ひと粒の外側はパリッとしていて、内側はふっくらやわらかいという蒸し加減です。酒造りの基本は「一麹、二もと、三造り」といわれていますが、蒸米はその原点ともなる大切な工程。蒸し加減をチェックするのは杜氏の役目です。味を確かめるのはもちろん、手のひらで蒸米を丸め広げ、"ひねり餅"をつくり、その香り、色、感触などから、蒸し加減を判断するのです。


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