契約栽培米
長野県下高井郡木島平村は『自然劇場きじま平』のキャッチフレーズのとおり、標高五〇〇メートル、自然が一杯の美しい村だ。
ブナの林から流れ出る清冽で豊かな水、澄んだ空気、昼と夜の温度差が大きななど、米作りの環境に恵まれ、農薬を使わない田圃には、秋になるとイナゴがぴょんぴょんと飛び跳ねている。金紋錦はこの地にだけ栽培される貴重な米である。
昭和六十年頃、『黒帯』の掛米として重要な長野県木島平村の『金紋錦』に栽培が続けられないとの話が持ち込まれた。長年この米を使っていた幻の酒で有名であった新潟の蔵元が地元産の米に切り換えたため需要が減り、農家も生産意欲を無くしたとのこと。山田錦との組合せと熟成によって絶妙の旨みを発揮する金紋錦を残すためにも、契約栽培化は切り札となり、昭和六十三年、木島平でしか栽培されていない金紋錦は全量
福光屋との契約栽培となった。
将来性に不安を抱きながら細々と作られていた頃の金紋錦は、心白の少ない千粒重24g程の見かけも良く無い米であったが、契約栽培にしてから十数年後の今は心白の綺麗な千粒重26g台の見事な米に蘇った。
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